多彩で明瞭なトーン
PRS 408の登場です。かつてLimited Editionとしてリリースされ、多彩なトーンで魅力的なこの1本が、PRSコア・ラインから登場します。
PRS 408ピックアップは、ギターのトーンが持つ可能性をさらに拡張するべく、ベース・ピックアップのコイル間隔を狭めてトーン・レンジを集中させ、逆にトレブル・ピックアップはその間隔を拡げてトーン・レンジを拡大させる非対称なピックアップ・アレンジを採用しました。このピックアップ構成(合計4つのコイルで8種類のサウンド)は、1980年代前半のPaul自身の実験により生まれたSorcerer’s Apprenticeギターに由来するものです。また、シンプルながらも幅広いトーンを生み出すミニトグル・スイッチにより、ハムバッキングとシングルコイルの各トーンを組み合わせた様々なサウンドを作り出すことができる408は、圧倒的な多彩さと音楽的な明瞭度の高いトーンを兼ね備えた1本です。
GEN IIIトレモロは、通常の特許取得済みPRSトレモロ・システムとまったく同様に機能します。いつものように、ブリッジは削り出しのブラス製で、非常に鳴りの良いブラスを採用しています。ブロック、イントネーション調整ネジ、高さ調整ネジ、そして弦を通すストリング・スロットはいずれもメッキされていない状態のままで、より長いサステイン、より色付けのないトーンを実現しています。
A. マウンティング・スクリューのネジ穴は皿穴のようにテーパーが入り、より正確なセットアップができ、アーミング後のピッチの戻りも正確です。
B. ブリッジのサイドウォールで各サドルの不要な挙動を制し、一般的なトレモロ・システムで見られるようなチューニングの不正確さを排除しています。
C. サドルの角度付けを取ることで弦がサドルの位置で正確な確度に折れ曲がり、よりタイトにサドルに接地し、弦振動を効率よくブリッジに伝えます。また、Private Stock Gen IIIトレモロはロック式サドルですので、ブロック内でのサドルの不要な挙動がなく、アーミング後のピッチの戻りの正確さをより高めています。
D. トレモロ・アームはネジ式による取り付けではなく、小さなセット・スクリューでアームのフィールや演奏しやすいポジションを調整できます。
Gen IIIトレモロでは他にもギターのトーンやサステインの向上のため、大きなアップデートを行っています。
E. マウンティング・スクリューは設計を変更し、ネジ山をより大きく、ヘッド部もより大きなカスタム・サイズにしました。これにより、マウンティング・スクリューによるブリッジとボディとの接地時のマスを大きくでき、サステイン向上に役立っています。
F. ブリッジ・プレート上に溝を追加しました。この溝は高さ調整ネジの角度と合わせてありますので、サドルとブリッジとの接地性がより高まりました。
GEN III TREMOLO
BODY
Top Wood Carved Figured Maple
Back Wood Mahogany
NECK
Number of Frets 22
Scale Length 25"
Neck Wood Mahogany
Neck Shape Pattern
Neck Depth At The Nut 28/32”
Width of Fretboard at the Body 2 1/4”
Width of Fretboard at the Nut 1 11/16”
Fretboard Wood Rosewood
Fretboard Inlay Birds
HARDWARE
Bridge PRS Patented Tremolo, Gen III
Tuners PRS Phase III Locking
Hardware Type Nickel
ELECTRONICS
Treble Pickup 408
Bass Pickup 408
Controls Volume and Tone Control with 3-Way Blade Pickup Switch and Two Mini-Toggle Coil Tap Switches
Strings 10's
UPGRADE OPTIONS
10-TOP
-
10-Top Grade Maple Top
-
Hybrid Hardware
SPECIFICATIONS
AVAILABLE COLORS
Antique White
Charcoal Cherry Burst
Gray Black
Violet
Aquamarine
Emerald
McCarty Sunburst
Violet Blue Burst
Black
Faded Whale Blue
McCarty Tobacco Sunburst
Yellow Tiger
Black Gold Wrap Burst
Fire Red Burst
Orange Tiger
Charcoal Burst
Gold Top
Trampas Green
ギターづくりの哲学
PRSコア・ギターは、PRSの中心です。1985年以来、品質の高さ、革新性、ギター産業の膨大な歴史に駆られ、トーンやプレイアビリティ、美しさのいずれにも妥協のない楽器づくりを続けてきました。どのパーツも、どの工程も、完成品である楽器には欠かせないものです。そこで、各工程で細心の注意を払いつつ製作している過程をご紹介しましょう。
木材はあらゆるPRSインストゥルメントの基礎となるものですので、使用材ごとの調達、カッティング、乾燥、グレード分けを極めて入念に行なっています。
演奏時のフィールを決定づける重要なネック・シェイプ。PRSは、心地良さ、プレイアビリティ、安定性を重点的に設計されていますので、そのフィールは末永く変わることはありません。
サテンやフィニッシュ工程は、ギターの美しさを際立たせるとともに、感触の良さやトーンも重要です。PRSでは、美しく、精細なサテン、ペイント、フィニッシュだけでなく、薄くクリアで堅く、耐久性を確保しつつ、楽器本来のトーンや鳴りも実現しています。
ブリッジは、ギターにとってアンカー、つまり最も重要な役割を担っています。PRSのすべてのブリッジは、弦振動をボディに最大限に伝達し、極めて優れたイントネーション、高い機能性を発揮するよう設計されています。
PRS Phase IIIチューナーは、弦振動をギター本体に効率よく伝えるとともに、極めて正確なチューニング、使いやすいロッキング・システムによる高い安定性を求めて設計されています。
弦が接する重要な第3のポイントであるナット。PRSでは、ギターの鳴りを最大限に発揮するナット材を使用・設計しています。指板上の様々なポジションでも正確なイントネーションが得られるよう取り付け、弦が正確にフィットし、高いプレイアビリティを発揮できるよう、すべて手作業で仕上げています。
PUは弦振動を捉え、電流に変える変換器。ワイヤーやマグネット、ボビンやスラグ等のパーツが音に影響し、楽器とアンプとのコンビネーションによっても異なる影響をします。そのためPRSでは、多くのPUを用意。ほぼすべてのPrivate Stock、コア・モデルのPUはPRSメリーランド工場で設計・製造しています。
PRSのフレット材は、耐久性とトーンを重視してニッケル・シルバーを採用しています。一般的にPRSのフレット・ワイヤーの高さは、コードやバッキング演奏、チョーキングなどを含むリード奏法の両方に適した高さに設計されています。また、PRSフレットの幅や硬度は、摩耗は最小限に、寿命はより長く、楽器のトーンを最大限に活かすように設定されています。すべてのPRSフレットは高さや角度に狂いが出ないように接着により指板に取り付けられ、極めて高い弾き心地の良さとプレイアビリティを実現しています。
こうしてPRSギターは、各工程でのあらゆる考えや丹念な仕事、楽器づくりへの情熱が反映されて完成します。あらゆるディテールにまで細心の注意を払って製作すると、ギターは単なるパーツの集合体を超えたものになるのです。